【掛軸】長沢芦雪 蓬萊仙会図

¥770,000

作家名
長沢芦雪

作品名
蓬萊仙会図

サイズ
紙本着色 本紙巾30.4×115.4cm 総丈巾44.4×193cm

[略歴]
長澤蘆雪 (ながさわ ろせつ) 
1754年~1799年(宝暦4~寛政11)

江戸中・後期の画家。
山城国淀藩士上杉彦右衛門の子と伝わる。
名は政勝・魚、字は氷計・引裾、通称主計、別号に干洲漁者など。
円山応挙に画を学び、奇抜な発想と大胆な構図で独自の画境をひらく。
奔放な性格であったといい、応挙から三度も破門された等多くの逸話を残す。
天明67年(178687)応挙の推薦により南紀に赴き、
串本無量寺をはじめ多くの障壁画を描いた。
寛政11年、46歳で大坂で客死。

[解説]
厚い雲につつまれ、たちのぼる霧に覆われた神秘的な山中。
雲の切れ目から垣間見える、なんとも摩訶不思議な光景です。

色とりどりの着物を身につけた男女の一行が、
あるものは徒歩で、あるものは獣にまたがり、
またあるものは鶴の背に乗って空を飛び、
列をなして何処かを目指しています。

彼らがただの人ではないことは明らかです。
霧の中に見え隠れする松と切り立つ山の影が、
ここが蓬莱山であることを思わせます。

 「蓬萊」とは中国の道教の神仙思想の中で説かれる、
海に浮かぶ伝説上の仙境です。
蓬萊には不老不死の仙人と美しい鳥獣が住み、
金銀の宮殿が建ち、
俗人が舟で近づこうとしても大風が吹いて行くことができない、といいます。

古来、中国では画家たちが仙人たちの姿と
仙境を豊かな想像力で描き出しました。

日本にも蓬萊伝説は早くから伝わり、不老不死、
延命長寿の象徴として詩歌や絵画、工芸などの
題材とされ親しまれてきました。

 仙人たちは超俗的なパワーをもって仙境を自在に行き来し、
ときには集って宴などを催しました。

旧暦33日には伝説の神山・崑崙山で
西王母の誕生日を祝う蟠桃会が開かれ、
また旧暦の121日には各地の仙人たちが蓬萊に集い、
来たるべき新年を祝いました。

本図のような作品は他に類例がなく、
箱書等も付属しないため正確な画題は不明ですが、
神仙たちがそのような宴の席へと連れだって
向かう様子を描いたものでしょう。

神仙たちを更に高いところから盗み見るような俯瞰的構図と、
雲霧を地色で表現し、雲の切れ目から覗く光景を薄墨で
あらわす光と闇の描法が特徴的です。

割れた筆先がみせる即興的な動きのある描写と、
山肌と松のシルエットにみられるたっぷりとした
墨の滲みの効果も面白い対比をみせます。

まぼろしのように眼下に現れた、
この世のものならぬ仙人たちの幻想的な行列を、
蘆雪ならではの機知にとんだ独創的な画面に捉えています。

落款の書体と印の形から三十代前半の作でしょうか。




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