【掛軸】バーナード・リーチ 魚紋皿図 紙本淡彩 1934年 共箱 陶軸付

¥1,320,000

作家名
バーナー・ドリーチ
Bernard Leach

作品名
魚紋皿図 fish plate  紙本淡彩  1934
共箱 陶軸付き

サイズ
本紙巾
30.8×32.8cm
総丈巾46.4×139.8cm

略歴
バーナード・リーチ / Bernard Howell Leach
1887-1979

イギリス人の陶芸家
香港で生まれ、幼児期を日本で過ごす。
帰英後はロンドン美術学校などでエッチングを学ぶ。
1909年日本への憧れを強くし再来日、約十年間にわたって日本に滞在。
エッチングを指導しながら、柳宗悦ら白樺派の人々や、のちに「色絵絵付」の人間国宝となる富本憲吉と親交を結ぶ。
やがて楽焼に魅了され六代目尾形乾山に入門、作陶活動を始める。
また柳宗悦を介して知り合った陶芸家・濱田庄司と交友を深め、1920年、濱田を伴って帰英。
コーンウォール州セント・アイヴスに日本式の登窯を築き、リーチ・ポタリー(工房)を開く。
イギリスのスリップウェアと呼ばれる伝統的な日用陶器の技法を再現し、西洋と東洋の技術を融合させた独自の作風を展開した。
1934年に再来日し、柳宗悦の進める民藝運動に共感、日本民藝館の設立に協力した。
リーチの職人としての哲学や技術、芸術家としての思想は欧米の陶芸家に大きな影響を与えた。戦後もたびたび来日、陶芸を通じて東西両文化の架け橋となった。

【作品解説】
見込みに魚と柘榴の実、縁には線と三角形の紋様をあしらった絵皿が、やや鉄色を帯びたインクで描かれています。
画面上には皿の断面図が描かれていますが、これを見ると中央が深く、縁がやや広く立ち上がった皿であることがわかります。
断面図には数字が書き込まれ、設計図のようにも見えます。
1934の書き入れから、同年リーチがイギリスから再来日した時に描いたものと考えられます。

 同じ年にリーチが沖縄の窯で制作したという、本図とほぼ同じデザインの「魚文大皿」が栃木県立美術館に所蔵されています。
図案の輪郭や幾何学紋様を線彫りした上に染付けで色を施すという沖縄の伝統的な技法で作られており、本図が「魚文大皿」の制作過程において描かれたものであることはほぼ間違いないでしょう。
魚と柘榴はどちらも子孫繁栄を意味し、沖縄では伝統的に用いられる意匠です。

 1934年はちょうど日本民藝協会が発足した年でもあり、柳宗悦は、日本民藝館の設立に向けた様々な準備活動を行っていました。
リーチは濱田庄司や河井寛次郎らとともにその活動に協力し、日本各地の窯場で制作しながら調査の旅行をしており、この時に沖縄まで足をのばしたのかもしれません。

 本作に使用されている紙は粗い繊維の筋などの入った素朴な和紙です。
民藝運動に加わった和紙作家・阿部榮四郎の漉いた紙は、
リーチがエッチング制作時に愛用していたことが知られていますが、
阿部の生み出した民藝和紙にも共通する風合いが感じられます。
陶製の軸先など表装を含めた作品全体から民藝を感じさせるつくりとなっています。



備考
経年による細かな擦れ等ある場合がございます。予めご了承下さい。
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また、こちらの商品は1点ずつ風合いが異なります。
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