【掛軸】菊池契月 大伴旅人 絹本着色金泥 大伴旅人讃酒歌一首賛 共箱

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作家名
菊池契月

作品名
大伴旅人 絹本着色金泥
大伴旅人讃酒歌一首賛 共箱


サイズ
本紙巾51.6×45.2cm
総丈巾66.2×143.5cm

酒名乎聖跡負師古昔大聖之言乃宜左
大伴旅人讃酒歌一首

酒の名を聖(ひじり)と負(お)ほせし古(いにしへ)の大き聖(ひじり)の言の宣しさ

「酒を聖(ひじり)と呼んだ昔の大聖人の言葉のすばらしさよ」

大伴 旅人(おおとものたびと 665-731)
飛鳥時代から奈良時代にかけての公卿で歌人。
同じく歌人として活躍した大伴家持の父としても知られます。
朝廷で重きをなし、大納言・従二位まで進みました。
60歳を過ぎてから大宰帥(大宰府の長官)に任命され三年ほど赴任し、
この時ちょうど筑前国守を務めた山上憶良らと盛んに作歌活動を展開
『万葉集』には太宰府時代に詠んだ80首ほどの短歌と長歌が収められています。

 ここに万葉仮名で賛されている歌は万葉集巻三に
「酒を讃(ほ)むる歌十三首」として収められる歌のうちの一首です。
中国三国志の時代、魏の曹操が禁酒令を出したとき、
政治家の徐邈が禁を破り、清酒を「聖」と称して飲んだ故事を
題材にしていると考えられています。

 こよなく酒を愛したと伝わる大伴旅人ですが、
「酒を讃(ほ)むる歌」13首は、
単に酒の素晴らしさ、楽しさを詠んだだけではなく、
太宰府赴任中に亡くした妻や政治への思いもこめられていると言われます。

 ここでは朝服をゆったりと寛げて、
右手に杯を持つ旅人の姿が描かれています。
左手は冠の前にかざし、遠くを見やるようなポーズを取っていますが、
これは旅人の子で三十六歌仙の一人である大伴家持が、
歌仙絵に描かれる際にしばしば取るポーズと似通っています。
作者の菊池契月は、家持に比べ絵画的資料が少ない旅人の姿を描くにあたり
家持の歌仙絵を参考にしたのかもしれません。

略歴
菊池契月(きくちけいげつ 1879-1955)
長野県生。本名細野完爾。
幼い頃から絵を描くことを好み、京都に出奔し内海吉堂に師事。
さらに四条派の菊池芳文に入門。師の娘婿となり菊池姓となる。
文展での活躍により永久無鑑査となる。
四条派に大和絵や仏画、浮世絵の古典的な技法を取り入れ、
歴史に取材した作品を多く手掛けた。
大正
11年、渡欧してイタリアの初期ルネサンス絵画などに刺激され、
帰国後はより日本画の古典的な美術を研究。
緊密な線描による白描画など典雅で気品のある画風を確立した。
京都市立美術工芸学校、絵画専門学校で教鞭を執り、絵画教育にも尽力した。

備考
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